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2014年4月17日木曜日

大坪晶さん作品紹介

WaPoCはメンバーの藤安についての展示案や情報発信はもちろん、写真に限らず作家の方々をこのブログにて紹介致します。

第一弾として、昨年末にチェコでの留学を終え日本に帰国された大坪晶さんの作品をご紹介します。
これまでに、『Chronicle of Rooms』や『Shadow in the Mirror』シリーズで写真作品を発表してきた大坪さんですが、今回取り上げるのはリトグラフやコラージュ、インスタレーションなど「カメラを用いない写真作品」を手がけた作品です。

彼女がチェコ滞在中に制作した作品から6シリーズをピックアップし、初回のブログではリトグラフ作品の3シリーズをご紹介致します。

カメラで撮影した作品ではなくても「写真表現」となりうること、またカメラが捉えた個人的な時間の記録が普遍性を帯びる様を、大坪さんの作品を通じて現代の「写真表現の可能性」を感じて頂けるのではないでしょうか。



まずは、

[リトグラフ作品]
The Hidden  Secrets of Her
Each size 50×26.5cm
Lithograph 2012
(C)OTSUBO Akira



Each size 33.6×28.8cm
Lithograph 2012(C)OTSUBO Akira



The Lost hands of someone
Each size 35.2×28.8cm
Lithograph 2012(C)OTSUBO Akira

リトグラフで制作された『The Hidden  Secrets of Her』と『The Lost hands of someone』のシリーズ。
チェコの蚤の市で購入した古い雑誌から抜き出したポートレートを、同じ版で何度も刷られています。
濃淡があるイメージを同一のモノとして認識できているのは左に元のイメージがある為ではないでしょうか。


A Cemetery: The Name of Human Memories,2012


Lithograph 2012(C)OTSUBO Akira





同様に、A Cemetery: The Name of Human Memories,2012』のリトグラフのシリーズでは、人間の顔をスキャン後リトグラフの石に転写しプリントされています。
転写された顔は原型を留めておらず、イメージに残る情報はどうも顔であるのは確かだが何者なのか、おそらく真ん中の女性は鼻の高さや彫が深い目からは白人の女性では......

"記憶の向こうにあるのは、誰かの顔ではなく、いくつかの情報を組み合わせた人間らしき「何者か」なのである"(作家ステイトメントより)


何度も刷られることによってぼやけたイメージや、転写され原型を留めていない人間の顔からは、我々の曖昧な記憶をも表しています。




WaPoC

ディレクター 玉置慎輔



大坪晶
2001年 京都文教大学 人間学部 臨床心理学科卒業
2010年 天王寺Mio 写真奨励賞 審査員特別賞(森村泰昌選)
2011年 東京芸術大学 修士課程 先端芸術表現科卒業 
2013年 プラハ工芸美術大学(AAAD)修士課程 コンセプチュアルアート学部     写真学科修了(チェコ共和国政府国費留学) 。

主な個展に、2013年 Munikat Gallery  (ミュンヘン、ドイツ)、2013年 Shadow in the House  Běhal Fejér Institute (プラハ、チェコ共和国) 、2011-2012年 Shadow in the Mirror (新宿,大阪ニコンサロン)。
主なグループ展に2013年 Nordart 2013 (レンツブルク、ドイツ)、2013年 Munikat Gallery  (ミュンヘン、ドイツ)。

大坪晶さん展示情報
京都で開幕する国際写真写真フェスティバルKYOTOGRAPHIEのサテライト展示「KG+」として展示されます。

2014年4月18日(金)~4月29日(火、祝日) 午前11:30~午後19:00 最終日は17:00まで
定休日:4月23(水)
会場:UNITÉ
http://www.unite-kyoto.jp/event/



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